30代からの医学部学士編入合格への道

小論文の書き方・テーマ

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小論文の書き方・テーマ

当サイトの他のページでも説明しているように、医学部学士編入試験で重要となるのは英語、生命科学、小論文、面接です。 このうち筆記試験は英語、生命科学、小論文ということになります。 中には「小論文」という科目名で英語、国語、自然科学一般の問題が出題される大学もありますが、 やはり医学的知識、論理的思考力とそれを表現する文章力が求められるという点では同様と考えられます。 学士編入試験では科目数が少ない分、小論文の占めるウエイトが相対的に高いのも特徴で、小論文対策は非常に重要です。

そこで、ここでは小論文の書き方・テーマについて掘り下げて説明したいと思います。

小論文ではまず問題文が提示され、それについて皆さんの考えるところを制限時数内で簡潔かつ論理的に述べるというのが基本となります。 テーマはそれこそ多岐に渡り、志望動機・自己PR、自分の将来像のようなものから、医療における様々な時事トピックスのようなものまであります。

まず小論文で書くべき内容の前に、形式について注意しておきたいと思います。

「ですます調」ではなく「だ・である」調
採点官は目上ですし読み手を意識して「ですます調」で書きたくなる気持ちも分かりますが、 これはあくまで「論文」であり自分の知識と見解を述べるものですから、「だ・である」調で書くのが本来の正しい書き方です。

誤字・脱字に気を付ける
当然のことですが、誤字・脱字がないように気を付けて下さい。誤字・脱字は減点方式で容赦なく減点されます。 「なに内容が良ければ受かるよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、こうしたつまらない減点も「塵も積もれば山となる」です。

段落では一文字下げる
これも当然のことですが、最近はそのような教育を受けてこない人もいるようなので、改めて注意を促しておきます。

主語・述語をはっきりさせ曖昧さのない文章を心がける
当然のことですが、その述語の主語は何なのかが分からないような文章は書いてはいけません。 主語と述語が遠くに離れてしまう場合には、それを近づける書き方がないか、考えながら書くべきです。 2通りに解釈できるような文章を書くと減点の対象になりますので注意して下さい。

客観的事実と主観的意見、一般論は明確に区別する
その一文で述べているのは客観的事実なのか世間一般の見解なのか自分の意見なのかが分からないような書き方は絶対に避けるべきです。 「・・・という事実がある」、「・・・と一般的には考えられている」、「・・・と(私は)考える(推測する)」と 述語でも区別できるように書くべきです。

論理構成に凝らない
論文・作文を書く際に「起承転結」という書き方を習ったと思いますが、この書き方では最後まで読まないと結論が分からず、 論理構成が分かりにくく誤解を招きやすいという欠点があります。 昨今の医療時事テーマに関して出題された場合には、まずその一般的な概要と世間の一般的評価と反論について自らの知識を述べて、 それについて自分の意見を述べるという単純な構成で問題ないはずです。字数と時間を考えても、出題者が求めているのはそのくらいでしかないはずです。

論理的に矛盾が生じないように注意する
これは常に意識してほしいと思います。論文で自己矛盾が生じている文章があると、「この人は頭が悪い」と判断されます。 一例をあげると、「医者になれるのは頭の良い人だ」という一文(文Aとします)、 「頭の良い人は医者になれる」という一文(文Bとします)があったとします。 これらは同じことを言っているのでしょうか?もちろん違います。前者から後者の結論には至らないわけです。 文Aの「対偶」を取ると、「頭の良くない人は医者になれない」ですし、これが文Aから導かれる論理展開です。 そのようなわけで正しい論理展開を身に付けるためにも、数学Tの「命題」と「対偶」、必要条件と十分条件、包含図などくらいは 最低限、勉強しておいた方がよいと思います。

回りくどい言い回しはしない
小論文は論理的で明快なものが好まれます。レトリックや文学性に凝る必要は全くありませんし減点の対象にさえなります。 例えば「・・・というのは否定できない事実かもしれない」、こんな書き方をしたら「何を言ってるのだ」と笑われてしまうでしょう。 とにかく単純明快に行きましょう。

形式については以上です。
次に内容について説明したいと思います。

志望動機・自己PRなどを述べさせるパターン
志望動機・自己PR、自分の将来像については志望校出願時に1500〜2000字で書いたものを提出する必要があると思いますので、 その時点でいかに自分だけのオリジナルのものを高い完成度で仕上げておくかが大事になります。 事前に対策が練れるという点で、ここは皆さんも力を入れてくるでしょうから、差を付けるのはなかなか難しいとも思います。

医療時事トピックスについて知識と見解を論述させるパターン
医療における時事トピックスについては、様々なものがあります。 例えば以下のようなテーマが挙げられます。

・遺伝子診断・治療の是非
・災害医療(トリアージ)
・地域医療・僻地医療
・救急車たらい回しの現状と打開策
・医師数の地域間格差
・小児科・産婦人科医師数の減少
・告知(インフォームド・コンセント)
・医療事故・事件・訴訟
・延命治療の是非
・安楽死と尊厳死(自然死)
・緩和医療
・脳死と臓器移植
・胃瘻造設の是非
・高齢者・認知症患者への医療の現状
・医療経済
・医薬分業
・保険診療と自由診療
・多職種連携・協働
・全人的医療・患者中心の医療
・医師不足の現状・医学部造設
・研修医のうつ病
・医学部の編入者に求められるもの
・うつ病と自殺

他にも重要なテーマがあると思いますが、このようなテーマについて皆さんはどこまで知っていて、現状についてどう考えているか、 ということを問う形の小論文も多いようです。 少なくとも僕が医学部学士編入試験を目指していたときには、河合塾KALSではこのようなテーマの講義を受けて、 小論文を書いていました。医療に関して門外漢だった僕は全ての内容が自分にとって初耳で新鮮なことばかりで、 この講義が最も役に立ったと言ってもよいほどでした。例えば「トリアージ」という言葉は一般人にはなじみが薄い言葉だと思いますが、 医師で知らない人はまずいないと断言できます。そのような知識が小論文では求められることがあるということです。

出題形式については、例えば「医療過誤・事故・訴訟」について知るところを述べ、その防止策について考えを述べよ」 というシンプルなものから、被害患者・家族の思いを切々と語った文章が出題されて、その中のキーワードを絡めて 論じさせる、国語に近い出題形式もあり、またグラフや図表が与えられてそこから読み取れる事実・現状の問題点と それに対する今後の改善策・施策の案を述べるといったものまで様々ですが、 いずれもこれらの医療時事テーマのバックグラウンドの知識は不可欠です。

これらのテーマが与えられた際の小論文の書き方については、出題文が長い場合、その重要ポイント・論点だけをピックアップして 手短に述べて、出題文を読んだこと、そしてその要旨を把握したことを採点官にはっきり示した上で議論に入ります。

いずれにしても小論文の流れは以下の5つを順に示すことが不可欠と思います。

1. 出題された文章・テーマについて背景となる知識について簡潔に記述する
2. そのテーマにおける理想・達成すべき目標及びその理由について記述(それが明らかな場合は省略可)
3. そのテーマにおいて現実はどうなっているのか
4. 理想と現実のギャップとそれをもたらす要因について
5. 自分なりの改善案(自分なりではなく一般的に言われていることでも可)

ここでは、「医療過誤・自己」を例にとって、それぞれについて説明していきます。

1. 出題された文章・テーマについて背景となる知識について簡潔に記述する。
最近ニュースになった医療過誤・事故などのテーマについて新聞・ニュースなどで知っている情報などを記載します。 長い出題文がある場合にはそれを簡潔に要約します。

2. そのテーマにおいてどうなるのが理想・目標なのかを記述(それが明らかな場合は省略可)
医療過誤の場合、それがゼロになるのが理想なのは明らかなので省略は可能ですが、 例えば遺伝子診断・治療、クローン人間などについて論じる場合には、現代科学技術では可能であっても倫理的には許されないという 考え方を求められているのは明らかですから、それを主張した上で、なぜ許されないのか、その論拠を簡潔に ピックアップできればよいことになります。

3. そのテーマにおいて現実はどうなっているのか
医療過誤はゼロになるのが理想ですが、残念ながらゼロにすることは事実上不可能とも言えます。 そのことを記述します。

4. 理想と現実のギャップとそれをもたらす要因について
医療過誤・事故がテーマの場合、なぜそれがなくならないのか、その原因について記述します。 それを思いつく限り挙げます。

5. 自分なりの改善案(自分なりではなく一般的に言われていることでも可)
ここが最も重要です。答案例ですが「医療過誤は医師の不注意と知識不足・経験不足、態度により起こるものである。従って医師1人1人が 自ら自覚と責任をもって患者1人1人に対して真剣に向き合い、自らも生涯、自己学習に励んで最新の知識を学び続け、 診療の際は、自らの経験を総動員して、細心の注意を払って取り組むことで、 これらの医療過誤が減少していくと考える。」・・・このような答案を読んだとして、皆さんはどう思いますか? なるほど、ここで皆さんが将来医師となった場合、患者1人1人と真摯に向き合えるかどうかを聞いているのか、 と思うかもしれません。 しかし皆さんは驚くかもしれませんが、このような答案は内容的にゼロで何も言っていないに等しいため、評価点はゼロに限りなく近いと思われます (少なくとも僕が採点官でこのような答案に出会ったら、「この人は何も考えていない」とバッサリ切り落とします)。 厳しいと思われるかもしれませんが、出題者はそれを意図しているわけではないことは明らかです。

医師が生涯学習を続け、患者1人1人と真摯に向き合って診療をする、これは大前提の話です。 その大前提でもなお医療過誤がゼロにならないことを問題にしているのであって、これは医師・医療者の努力だけでは どうにもならない問題です。そこをどうするのか、というのがここで論じるべきテーマであって、 上記の答案例はそのことに全く言及していないので零点に近いと思うわけです。 例えば皆さんもやっている自動車の運転も、事故を起こしたくて起こす人などいないわけですし、 どんなに注意して運転していても事故は一定頻度で起きてしまうわけです。これをヒューマンエラーと言います。 これをどうすればよいのか、という深い考察を求めているわけです。

Accident will happen.

これは「事故は起きるだろう」と訳すのは間違いで、「事故は起きるものだ」というのが正しい日本語訳であることは、 英語を習った皆さんなら知っていると思います。 つまり、どんなに注意していても事故やミスを完全に防ぐ方法はない、ということです。それをいかに減らしていくか、です。 事故には至らなかったが、ヒヤリとしたという経験は多くの人が持っています。そして時々小さなミスも起こります。 その際、それを自分だけのものとして隠すのは簡単ですし、職場に怖い上司がいる場合にはなかなか言い出しにくいかもしれません。 しかしそのような小さなミスやヒヤリハットは自分だけでなく多くの人が起こす普遍的なものである可能性が高いです。 そこでそのようなことが起こった際には医療安全部門に報告することを努力義務として課すことで情報を収集・蓄積し、 その情報を皆が共有し、それに対する防御策を病院全体あるいはもっと大規模な集団で 取り組み、システム化していくことで初めてヒューマンエラーを減らしていくことができるわけです。 その際には、ミスを犯した人を責めるのは全くのお門違いです。人は責められると萎縮して、次からは同じようなことが起こっても報告しなくなります。 こうなってしまってはこのシステムが機能しなくなってしまいます。 これを論じる際にアクシデント、インシデント、ハインリッヒの法則などもキーワードとして登場させることができれば、 「この人はよく知っている」と思われて加点のチャンスになると思います。

以上、医療過誤・事故をテーマに小論文の書き方を見てきましたが、このテーマに限らず、 小論文においてはそのテーマに関して背景となる知識を持っていることが必要不可欠です。 そしてその論点、つまりそのテーマの何が問題になっていて、 自分はそれに対してどう考えるかを普段から問題意識を持ってよく考えて、自分なりの考えを練り上げておくことです。 そのためにはとにかく情報収集して知識武装することが大事です。 予備校の講義を聞いて実戦練習するのが最も良いと思いますが、予算的に厳しいという人は、そのような本を買ってひたすら読むという方法もあります。 また普段からこの方面にアンテナを張っておき、新聞・テレビ・ニュースなどで報道されたときは、 それがどのような切り口で論じられ、世論はどうなのかについても敏感になっておくべきです。

自分の考えについてはオリジナルでなくても構わないと思います。それよりも普段からこのようなテーマに対して問題意識を持っていて、 自分はこのテーマについてここまで深く知っているということが示せれば、合格は限りなく近いと思います。 そしてそれに対して自分はこのように考えている、ということを論理立ててしっかりとした文章で示すことができれば、たとえそれが 皆さん独自のユニークな意見ではなくても、合格できる可能性が高いと思います。

これらのテーマについては僕自身も色々考えるところはありますが、それは皆さんのご要望があれば、また別のページで 詳しく示したいと思います。

 

 
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